シベットの効果について

 

シベットとはジャコウネコの雌雄両種の肛門と生殖器の間にあるにおい袋からとった分泌物を乾燥させたものです。これと同じような生薬でジャコウというものがあります。これはジャコウシカの雄からとった分泌物を乾燥させたものです。

 

ジャコウジカの雄は、ジャコウネコと同じように、発情期になると、におい袋から発する強い香気を発してメスをひきつけるのです。人間にも同じような催淫効果があると考え、そのにおいを香料として用いるようになりました。それがヨーロッパにも使えられて、ムスクと呼ばれるようになったのです。

 

もちろん中国では、香料としてだけではなく、強壮効果が高い生薬として用い、珍重してきました。その成分を分析しても、大部分が動物性の粘膜室や脂質、色素などであり、現在のところ、薬理的にその効果を説明することはできていません。

 

それでも、実際に服用すると、中枢神経や心臓を興奮させるとともに、血圧を硬化させる働きがあり、日本で流通している滋養増強剤などにも、以前は含まれていたほどです。しかし、貴重な野生動物を保護するための国際間の取引を禁じたワシントン条約のために、日本に輸入することができなくなってしまいました。

 

 

 

 

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